いよいよ見えてきた阪神「藤川野球」の内幕…岡田前監督の逆を行く“ボトムアップ型”と“管理主義”
自分の「色」を出したがると失敗
内外野の守備の連係に関して、岡田監督時代は外野手がカットマンに送球する決まりがあったが、藤川監督はこれを“撤廃”。ケース・バイ・ケースで外野手のノーカット送球を許可した。昨秋のキャンプからこれに取り組んではいるものの、シートノックでは送球や連係のミスが目についた。
これに岡田前監督が「もっと締めなアカン」と苦言を呈すと、重鎮OBで元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏もメディアで「雑に見える」とコメントした。
阪神のチーム失策数は2023年まで6年連続リーグワースト。昨季もリーグ5位の85個を数えた。本拠地の甲子園は天然芝で内野全面が土だけに、ただでさえ守りのミスが出やすい。岡田監督はより確実にアウトを取りにいくため、カットプレーを導入するだけでなく、大山を一塁、佐藤輝を三塁とポジションも固定したが、新監督は矢野監督時代(19~22年)の複数ポジションの復活も掲げている。
「グラウンド外でも『藤川色』というか、『管理主義』の様子が見受けられる。チーム施設やグラウンドでの喫煙禁止に加え、キャンプ中は24歳以下の選手、寮に入寮している選手は夜間、宿舎そばのコンビニ以外は外出禁止とした。ストイックに野球に取り組めたのはよかったものの、息抜きができずに苦戦した選手もいた。岡田前監督はプライベートについては放任でしたからね」(在阪放送関係者)
元中日監督の落合博満氏は先日、TBSのテレビ番組で藤川阪神について、こう言っていた。
「去年、一昨年と阪神がやってきた良いことというのがある。これをどうやって継承していくか、足りない部分をどう手を加えていくかが、チームづくりで一番大事。自分の色を出そうとして違った野球をやると、とんでもないことになりそうな気がします。前任者のやっていることの良いことまで壊したがる人もいる。自分の色を出したがってね。そういう時は結構、失敗するケースが多いと思いますね」
さらには、「周りが“藤川色を出せよ”と言い始めると、ちょっと考えざるを得なくなってくる部分があると思うが、前の年の野球をやろうとしている。メンバーもそこそこ揃っているので、良い戦いをすると思います」とも話した。
藤川野球はどっちに転ぶのか。