『抗がん剤10の「やめどき」』長尾和宏著
抗がん剤は、すべての患者に平等に効果を発揮するとは限らない。“引き際”を見誤ると寿命を縮めたり、残りの人生をまっとうすることを妨げると本書は警告する。
まずは、治療開始から2週間目に注意すること。
体質に合わない場合、抗がん剤が脊髄に悪影響を及ぼし、赤血球や白血球が大幅に減少するのがこの頃だ。耐え難い副作用があるのに我慢して続けていると、後の治療に悪影響を及ぼす可能性もある。
また、ファーストライン(最初の抗がん剤治療)が終了した後、医師にセカンドライン(違う種類の抗がん剤)を勧められた場合も要注意。セカンドはファーストよりも、治療成績や延命効果の期待値は低い。
真実を知っておき、治療法を選択することが重要だ。
(ブックマン社 1333円)