『「新富裕層」が日本を滅ぼす』森永卓郎監修、武田知弘著
■「無税国債」の発行を提案
本当に消費税増税は必要なのか、日本経済の知られざる現実を解説した経済テキスト。実は、日本の個人金融資産はバブル崩壊以降に400兆円も上積みされ、億万長者が10年前の3倍以上になっていると指摘。その背景にあるのは相続税と高額所得者の減税だ。一方で企業は人件費を20%近くカットし、内部留保を100兆円以上増やし日本経済に悪影響を与えてきた。世界的に見て低いという日本の消費税が実は世界一高いことを明らかにし、富裕層への課税を提言。相続税がかからない代わりに持てば毎年減っていくマイナス金利の「無税国債」の発行を提案する。
(中央公論新社 780円)