ヌードアート本特集
(KADOKAWA 600円)
■「ヌードの美術史」美術手帖編
鑑賞編・歴史編・思考と分析編の3章にわたり、エロスの身体表現とは何かを解説。古代ギリシャの彫刻から、会田誠や蜷川実花の現代アートまで、圧巻の250点を掲載。
特に、歴史編ではヌードという芸術の紆余曲折の複雑な歴史を、素人にもわかりやすく整理して展開。紹介するのは美を咲き誇る女体だけではない。死と贖罪を描くむごい裸体や甘美な享楽を描いたエロスの世界観など、一枚の絵や写真に息吹く「物語性」をひもといている。難解な芸術作品の楽しみ方や読み解き方を、丁寧かつエンタメ性を盛り込んでまとめた手腕は「美術手帖」ならでは。
(美術出版社 2200円)
■「性愛の西洋美術史」海野弘・平松洋監修
エロチックアートの源流である古代ギリシャ美術に始まり、裸体芸術が花開いたルネサンス期、隠されることでより淫猥さを増した19世紀など、8つのチャプターに分けてつづっている。時代や描き手によって異なる趣味嗜好があらわになる点が興味深い。