ヌードアート本特集

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 逆に、女性の乳房と尻をこよなく愛し、ふくよかで豊満な裸婦像を生涯描き続けたのが、ルノワール。段々腹や巨大な尻、こんもりとした乳房など、現代でいえば「デブ専」ともとれる。つまり、画家の好みは、その作品に如実に表れているのだ。

 19~20世紀に描かれ、人々を魅了したヌードアート。画家たちの裸と性に対する思いが、この一冊につまっている。

■「名画 絶世の美女130人」平松洋著

 神々しく美しい女神から高潔な貴婦人、純真無垢な少女まで、絶世の美女を描いた名画を解説。著者は美術キュレーターで、珠玉の美女を独自の審美眼で選び抜いている。

 美女モデルの持ち物やしぐさから、一枚の絵に込められた画家の真意を探る考察が面白い。ヌードはもちろんのこと、特に目を引くのは、ルートヴィヒ1世の美女コレクション画。肖像画家・シュティーラーに庶民から王族まで描かせた美女は総勢37人(表紙の美女もここから)。息をのむ美しさ、愁いのある表情は気高く崇高であり、官能的でもある。密かに美女比べを堪能できるぜいたくな文庫本。

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