ヌードアート本特集

公開日: 更新日:

 逆に、女性の乳房と尻をこよなく愛し、ふくよかで豊満な裸婦像を生涯描き続けたのが、ルノワール。段々腹や巨大な尻、こんもりとした乳房など、現代でいえば「デブ専」ともとれる。つまり、画家の好みは、その作品に如実に表れているのだ。

 19~20世紀に描かれ、人々を魅了したヌードアート。画家たちの裸と性に対する思いが、この一冊につまっている。

■「名画 絶世の美女130人」平松洋著

 神々しく美しい女神から高潔な貴婦人、純真無垢な少女まで、絶世の美女を描いた名画を解説。著者は美術キュレーターで、珠玉の美女を独自の審美眼で選び抜いている。

 美女モデルの持ち物やしぐさから、一枚の絵に込められた画家の真意を探る考察が面白い。ヌードはもちろんのこと、特に目を引くのは、ルートヴィヒ1世の美女コレクション画。肖像画家・シュティーラーに庶民から王族まで描かせた美女は総勢37人(表紙の美女もここから)。息をのむ美しさ、愁いのある表情は気高く崇高であり、官能的でもある。密かに美女比べを堪能できるぜいたくな文庫本。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…