「インデックス」誉田哲也著
女性刑事・姫川玲子が活躍するシリーズの最新短編連作集。表題作「インデックス」は、池袋を震撼させた連続殺人事件を描いた前作の長編「ブルーマーダー」の後日談になっている。
主犯の木野一政は末期がんに侵されており、取り調べもままならない。木野が殺害を認めているのは14人。他にも20人以上の殺害をほのめかしている。
玲子は、被害者と思われる行方不明者のリストを渡され厄介な捜査を任される。
五十音順のインデックスの中から、玲子が独特の勘で、最初に目をつけたのは、ヤクザの親分。侠気のある人物だという。その足跡を追ううちに見えてきたのは、組を背負った男の意外な真実だった。
ファンなら百も承知だが、玲子は背が高くて美人。強い正義感と男顔負けのタフさで突っ走り、上司をハラハラさせる。花形の警視庁捜査1課で姫川班を率いていたが、池袋署に異動。所轄でも全力投球の仕事ぶりを見せる。中小企業経営者の自殺、クスリと売春がらみの男の不審死、大地主殺人事件などの真相を次々に究明していく。