「フランス人の新しい孤独」マリー=フランス・イリゴエン著、小沢君江訳
フランスの精神科医が現代人の抱える孤独について論じた社会論。
今、多くの人が孤独に苦しみながらも、シングルライフを選ぶ人が増えているのは、苦しみを抱えながらも、同時に静けさと自由を希求しているからだと分析。孤独は悪とされる一方で、特に女性は自立が奨励される。
経済的にも性生活でも自立した女性は、自由を犠牲にすることを拒み、従来の夫婦生活はなくなりつつあり、関係が希薄なカップルが一般化しつつあるという。一方で、孤独は思わぬエネルギーとインスピレーションが得られる豊かな時間でもあると指摘。カウンセリングをした患者のエピソードを紹介しながら、現代を生きる男女の関係のあり方を見つめる。(緑風出版 2200円+税)