テレビとジャーナリズム ますます露骨化する報道への圧力

公開日: 更新日:

「安倍官邸とテレビ」砂川浩慶著

 露骨なメディアへの介入を見せる安倍政権。実は政界入りの当初からマスコミ介入に熱心で、自民党幹事長時代には従軍慰安婦問題でNHKに圧力をかけ、番組を改編させた揚げ句、現場責任者に詰め腹まで切らせている。

 第1次政権時にもNHK人事に介入。第2次政権になると2014年末の総選挙前に官邸記者クラブの各テレビ局キャップ(責任者)を自民党本部に呼びつけ、報道の「公平中立ならびに公正の確保」を求める文書まで手渡した。

 しかしNHKはこの事実ひとつ、いまだに認めていないと著者は言う。つまり籾井会長の前からNHKは「御用テレビ」に成り下がっていたわけだ。元民放連記者で気鋭のメディア研究者の著者はテレビ局側の弱腰にも苦言。放送免許事業ゆえ、テレビは新聞より弱い。だからこそ自覚せねばテレビジャーナリズムは滅ぶのだ。(集英社 720円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出