当時の少年少女は高齢者に 伝説の「ウルトラQ」が50周年
「ウルトラQの精神史」小野俊太郎著
「ウルトラQ」はアメリカの人気番組「ミステリーゾーン」などをまねてつくられた大人向けの怪奇番組。東宝の劇場用映画と違って低予算のテレビ映画ならではのアングルや、貧弱なセットを活用したテンポある演出なども「ララミー牧場」などの場面をストップウオッチで測って編み出したという。怪獣映画で使った着ぐるみを使い回す必要性から怪奇物と怪獣物が交互に放映されるパターンも確立され、大人から子どもまで幅広いファンに訴えるスタイルがつくられていった。
本書は「大魔神の精神史」などの著書を持つ文芸評論家が「ウルトラQ」全エピソードを一つずつ分析。演出の細部にこだわり、ユーモラスな場面などに目を注いでいる。(彩流社 1800円+税)