「ゲバラ漂流」海堂尊著
医師となったゲバラはアルゼンチンを出て、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラ……とカリブ諸国を漂流する。そこで見たのは、大国アメリカの横暴さだった。
1936年にアメリカが中南米諸国を統治するため米州機構の前身をつくって以来、同機構はアメリカの冷戦政策に同調して革命運動を抑圧した。
グアテマラではアルベンス政権による社会改革が進められていたが、1951年、トルーマンは朝鮮戦争で中南米諸国に軍事協力を要請し、次々に軍事協定を結んでグアテマラ包囲網を形成していく。
抑圧された中米諸国の苦悩を知ったゲバラが革命家となっていく時代を描く長編第2部。
(文藝春秋 1850円+税)