「オリジン」(上・下)ダン・ブラウン著、越前敏弥訳
世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の作者による最新作。読者にはおなじみの宗教象徴学者ロバート・ラングドンが、人類最大の謎に迫る。ラングドンは、スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館に招かれていた。元教え子の天才未来学者エドモンド・カーシュが、ここで人類最大の謎を解き明かすプレゼンテーションを行うというのだ。
「われわれはどこから来たのか」、そして、「われわれはどこへ行くのか」。人類の根源的な問いに答える科学的新発見を、インターネットを通じて世界同時配信する計画だという。カーシュは、美貌の美術館長にしてスペイン王子の婚約者アンブラ・ビダルの協力を得て準備を進めていた。
人類の起源については2つの説しかない。神の創造物、あるいは、進化の産物。カーシュは第3の可能性を発見したのだろうか。彼が発表しようとしていることは、全宗教の否定にもつながりかねない。
3次元映像を駆使したプレゼンが佳境に入ろうとしたとき、演壇上のカーシュは何者かに額を撃ち抜かれて絶命する。
いったい誰が、何のために? 教え子の無残な死の衝撃と、科学者としての興味に突き動かされたラングドンは、アンブラとともに謎の解明に乗り出す。助っ人はカーシュが残した聡明な人工知能ウィンストン。著者最高傑作との評判にたがわず、上巻一気読み、下巻に突入は間違いなし。
(KADOKAWA 各1800円+税)