「読書の価値」森博嗣著

公開日: 更新日:

 子供の頃、本を読むのが大の苦手だったという人気作家による読書論。

 氏が読書に開眼したのは、小学校4年。電波について知りたいと思ったのだが、大人に聞いても誰にも答えてもらえず図書館で見つけた本で納得。人類の積み上げてきた知識が本に詰まっていることに気づき、以来、本を読み漁るようになったという。そんな自身の本との出合いを振り返りながら、読んで、その内容を自分のものとして「展開」する行為が本来の読書体験であり、速読などは読書ではないと説く。

 本に出合うことは、人に出会うことと限りなく近い。ゆえに本選びは友達を選ぶ感覚に近く、誰かにすすめられたりしたものではなく、自分で選ぶこと、その選ぶ時間が必要だと、氏の創作を支えてきた読書の極意を明かす。

 (NHK出版 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット