サバ缶本特集
「旨すぎる国民的青魚のすべて 全さば連監修 サバが好き!」
昨年あたりから、テレビ番組が火付け役となり、サバ缶がブームである。安価かつ手軽さは庶民の味方に、栄養面での健康増進効果は中年以降の心をしっかり掴んだようだ。サバ缶の魅力をたっぷり詰め込んだ本を集めてみた。
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全日本さば連合会、略して「全さば連」。漁業関係者の真面目な集いと思いきや、サバを愛する消費者の集まりだという。その思いを熱く込めたのが「旨すぎる国民的青魚のすべて 全さば連監修 サバが好き!」(1500円+税 山と溪谷社)だ。
著者は、食文化ジャーナリストで、全さば連広報担当の池田陽子氏。サバの基礎知識から日本全国のブランドサバ解説、5大サバグルメの街紹介など、読めばいっぱしのサバ通になれる。また、へしこ(ぬか漬け)やサバずし、サバサンドなどの名物料理を求めて旅に出たくなるような、ガイド本にもなっている。
塩焼き・味噌煮・しめサバなど、王道の調理のコツも名人から伝授、サバそのものの魅力をふんだんに詰め込んである。サバを偏愛する「全さば連」がお薦めのサバ缶5選はこれ。
ネギの風味が香る「ねぎ鯖」(茨城・高木商店)、神サバ級と絶賛の「金華さば味噌煮」(宮城・木の屋石巻水産)、とろんとした皮目が定番の「月花 さば水煮」(東京・マルハニチロ)、サバ缶界の大吟醸と呼び名の高い「鯖味付」(福井・福井缶詰)、目利きマイスターが選び抜いたサバのみ使用の「味わい鯖」(青森・味の加久の屋)。
各社こだわりの味付けで、脂ののった大型サバを使った絶品の缶詰だという。
また、島根県立隠岐水産高校や新潟県立海洋高校の高校生が製造したサバ缶もお薦め。サバ缶は、出来たてではなく、味がなじんでまろやかになる「2年モノ」の方がうまいという説もあるそうだ。
2016年には、全国の生産数がツナ缶を超えたというサバ缶。ブームに乗らない手はない。
「まいにち絶品!『サバ缶』おつまみ」きじまりゅうた著
祖母も母も著名な料理研究家で、現在NHKで料理番組をもっている著者がすすめるサバ缶レシピ集。「簡単保証」の看板に偽りナシ。誰にでもできるレシピオンリーで、台所に立つだけでも汗が噴き出す猛暑に最適。5パターンのレシピはどれも酒のサカナにぴったりだ。
まずは、「かけるだけ」「和えるだけ」、そしてコンビニで買える「総菜と混ぜるだけ」。練りがらしやおろししょうがなど、相性のよい調味料や薬味ひとつで、オシャレなおつまみに変身するから不思議。組み合わせの妙だ。
手間をいとわないなら「フライパンひとつで」「トースターだけ」を参考に。締めのご飯や麺とサバ缶のコラボは垂涎モノ。サバ缶を使った常備菜も作り置きしておくと便利。帰宅後、発泡酒とサバ缶をパカッと開けて寂しい晩酌をしている人にこそ、教えてあげたい本だ。
(青春出版社 1160円+税)
「今すぐ食べたい!すごい缶詰150」イカロスMOOK
缶詰はサバ缶だけにあらず。日本全国には珍妙な缶詰から美味&レアな缶詰まで、ありとあらゆる缶詰が製造されている。選りすぐりを150個、パッケージや中身も含めて紹介したムック本だ。
クジラ、シカ、イノシシは当たり前、トドやヒグマ、アザラシまで、獣肉缶の奥深さには一度食べてみたいと思わせる魅力がある。だし巻き卵やたこ焼きなど、「それを缶詰にするのか!」と、じくじたる思いになる製品も。珍しいサバ缶としては、アンティーク調陶器のようなデザインでインスタ映えを狙えるものから、焼きサバにココナツミルク煮、サバカレーなどの珍種も紹介。プレゼントにも最適だ。
用途も多種多彩な缶詰の実力を思い知らされるが、カタログだけではない。3章では地域再興に一役買った缶詰のルポや、缶詰のプロを養成する大学の紹介など、読み応えのある記事も掲載。
(イカロス出版 1850円+税)
「さば水煮缶健康レシピ」女子栄養大学栄養クリニック著
さば水煮缶が「最強の健康食」と呼ばれるゆえんは主に5つ。含まれる不飽和脂肪酸は「血液をサラサラにして、血管を強くする」「中性脂肪やコレステロールも減らす」「認知機能改善」に効果的。
また「骨ごと食べられるので、カルシウム強化で骨粗しょう症を予防」に役立ち、「ビタミンB2が豊富で老化を予防」してくれるという。
作り手の負担を減らすメリットもある。調理時間を短縮、買い置きも可能、後片付けも簡単で味のアレンジも自由自在。何よりも安価が一番だ。そんなさば水煮缶を使った54のレシピを紹介。
肉を使わない「さばじゃが」「さばマーボー」「セロリぎょうざ」あたりが斬新だ。基本の「さばそぼろ」を作っておけば、ご飯・トースト・麺にのせるだけで絶品が完成。カロリーや塩分摂取量も掲載、健康を気遣う人向けの完璧な教科書だ。
(アスコム 1200円+税)