「管見妄語できすぎた話」藤原正彦著
週刊誌人気コラムの書籍化。第6巻となる本書には2014年秋からの1年分を収録する。
友人に誘われて、父・新田次郎の作品「聖職の碑」の舞台となった木曽駒ケ岳に登ることになった。3年前に同じ友人に誘われ妻を伴い南アルプス仙丈ケ岳に登山したときのつらい体験が蘇り、1カ月ほど標高1300メートルの山荘でトレーニングに励み、父が何度も取材で訪れた山に臨んだ日のこと。その他、独立の賛否を問う住民投票の渦中のスコットランドに滞在して垣間見た人々の様子や、高卒の天才数学者ラマヌジャンと重ねて、ノーベル賞で多くの日本人受賞者を輩出できた本質的理由などを考える。
ユーモアを交え、時事から日々の点景まで縦横無尽につづる。
(新潮社 490円+税)