「国境の北と日本人」藤巻光浩著

公開日: 更新日:

 10年前の夏、著者はサハリンに行った。中国や韓国などの友人と日本の植民地支配について議論したりしていたので、植民地支配の痕跡を自分の目で見ておきたかったのだ。

 ユジノサハリンスクで買った地図は今まで見ていた地図を逆さまにしたもので、アイヌやヴィルタなど北の先住民族の交易圏、生活圏が記されていた。日本の教育では彼らの交易には触れず、絶滅を待つ存在というイメージを刷り込むだけだ。 サハリン郷土博物館で声をかけてきたのは、梁さんというロシア人。彼は朝鮮半島出身の二重徴用炭坑夫の息子で、終戦時に日本に帰還するためのバスに乗せてもらえず、ロシアに取り残されたのだ。(第1章)

「日本」と「日本人」が見えてくるサハリン紀行。

(緑風出版 2000円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出