「アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』」 中川裕著
大ヒットコミック「ゴールデンカムイ」の監修者が、作品を素材にして、アイヌの歴史や文化を解説した入門書。
タイトルにも使われる「カムイ」は、よく神と訳されるが、ちょっとニュアンスが異なり、動物や植物、それどころか家や食器など、人間が作ったものもすべてカムイなのだという。しかし、手当たり次第というわけでもなく、何かしら人間の役に立ってくれているものをカムイと呼ぶのだそうだ。
一方、アイヌとは人間を指す言葉で、彼らの伝統的な考え方の根幹にあるのは、アイヌとカムイがよい関係を結ぶことによって、お互いに幸福な関係が保たれるということだという。
そんな基本から、グルメや物語、アイヌ語と日本語の関係など、アイヌ文化のエッセンスを伝える。
(集英社 900円+税)