「世界まちかど 地政学NEXT」藻谷浩介著
「この世界はどのように出来上がっているのか」。その答えを求め各都市を訪ね歩くリポート。
2014年のラオスの首都ビエンチャン。町を流れるメコン川の対岸はタイだ。なぜ首都が面する川が国境線になったのか、そして川をはさんだラオスとタイは何が違うのか。歴史をひもときながら解説。
暇そうな店先に座る店員たちの姿に、彼らは「食べていく」ことができているのだろうかと思いを巡らせながら町を歩いていると、中国資本による大規模開発プロジェクトの工事現場に出くわす。そんな途上国問題に始まり、レバノンとヨルダンで考える宗教問題、ニューヨークに学ぶ最先端と水面下で進む格差拡大など。105カ国以上を旅してきた著者が世界の今をつづる。
(文藝春秋 1200円+税)