「なぜ共働きも専業もしんどいのか」中野円佳著
2児を育てながら働いていた著者は、限界を感じ、夫のシンガポール転勤を機に退職し、帯同。そこで出会ったさまざまな多国籍夫婦は、共働きも専業主婦家庭も日本人家庭より余裕があるように見えた。その違いは、シンガポールはすべてにおいて社会が共働き前提であるが、日本は共働き世帯が専業主婦世帯数を追い抜いて20年以上経っても、まだまだ専業主婦前提の社会だからだと指摘する。
子供が寝る直前まで帰宅できない生活に疑問を抱き仕事を辞めたアヤさんら、子育てと仕事の間で揺れ動く女性たちの実態を取材。専業であれ、共働きであれ、さまざまな負担を女性に押し付けることで社会を回してきた日本社会の循環構造の現実を問うリポート。 (PHP研究所 880円+税)