「カザアナ」森絵都著

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 中学生の里宇は見知らぬ女に声をかけられた。名刺を見ると「㈱カザアナ 岩瀬香瑠」とある。

 里宇の家は景勝特区Bエリアに組み込まれることになったのに、庭が荒れていて規定違反になるので、カザアナのスタッフが手入れをしてくれるという。アイルランド人と日本人のミックスだったダディが生きていた頃は小さな雑木林みたいだった庭は、今は雑草で覆われている。だが、カザアナのスタッフは「空がすばらしい」と褒める。里宇にはひきこもりの弟、早久がいるが、早久は空を見ようとしなかった。

 上空からドローンが市民を監視する近未来の日本で、風や月など万象を読む能力を持つカザアナ一族の末裔が、人々をよみがえらせる物語4編。

(朝日新聞出版 1700円+税)

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