「新選組 最後の勇士たち」山本音也著

公開日: 更新日:

 新政府のフランス人軍事顧問に仕える沢に、陸軍省参謀局将官・安富から知らせが届く。新島から戻ったばかりの相馬が切腹して果てたという。相馬は白い夏帯の裏に「一ツ」と書いた妙な遺言を残していた。沢と安富、相馬の3人は元新選組隊士で、共に土方歳三の最期をみとった仲だった。4年前、安富は薩長に従することを良しとせず、流刑地の八丈島でこのまま朽ちようと心を定めていた。

 そんな中、ともに箱館戦を戦った相馬が新島に配流されたと耳にし、地役人の計らいで面会に行く。箱館の戦で相馬は片腕を、安富は左手の4本の指を失っていた。相馬は、いずれ新政府で力を尽くす日が来ることを望んでいた。

 第10回舟橋聖一文学賞を受賞した時代長編。

(小学館 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中丸雄一の密会騒動“体の関係ナシ”で謹慎?アダとなった“旧ジャニーズ随一”お茶の間好感度の高さ

  2. 2

    来年引退決断の柔道ウルフ・アロン「『心残りはある』って言ってしまったんですけど、『やっぱりねえな』と(笑)」

  3. 3

    中日「ポスト立浪」に浮上する“第3の男” 侍J井端弘和監督、井上一樹二軍監督の名前が挙がるが…

  4. 4

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  5. 5

    寛解直前で数値が上昇…タレントの山本量子さん語るがんとの闘い

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    「海のはじまり」は地に落ちたフジ月9の象徴か…TVコラムニストが薦める意外な視聴者層

  3. 8

    高野連を直撃「甲子園でリクエスト制度なぜ導入されず?」

  4. 9

    大阪万博はうっすらウンコ臭い? “腐った卵”硫化水素が流出も「対策これから」の体たらく

  5. 10

    これも防災対策のひとつ? 「ソーラー充電器」は買っても秘密にしておけ