「暗約領域」大沢在昌著
ヤミ民泊に使われているマンションの402号室でシャブの小分けをやっている、というタレコミがあった。その部屋を監視していたカメラの映像を見た藪は、真っ暗な室内に一瞬光が放たれたことに気づき、鮫島に双眼鏡でのぞくよう指示した。
床に転がる人間の足の裏が見える。死んでいたのは30~40代のアジア人の男だった。所持品は現金とプリペイド携帯だけだ。犯人は暗い中、減音装置付きの銃で一発で仕留めている。その手の銃の仕入れルートを持っていたのは中国人の陸永昌だったが、陸は内調の下部機関の情報提供者だった。そして、殺された男は陸の友人だった。
新宿署生活安全課の鮫島刑事が活躍する「新宿鮫」シリーズ最新作。
(光文社 1800円+税)