「腸詰小僧」曽根圭介著

公開日: 更新日:

 9年前、世間を震撼させた「腸詰小僧殺人事件」。当時12歳だった犯人が、OLの麻美を殺し、ソーセージにしてマスコミに送りつけた事件だ。フリーライターの西嶋は、今は社会復帰している腸詰小僧のインタビューに成功。週刊誌に記事が掲載されると、事件の被害者である麻美の父親・楢崎が訪ねてきた。

 楢崎に腸詰小僧に会わせてくれと懇願され、根負けした西嶋は、インタビューテープの声を聞かせてやる。すると楢崎は娘の最期を腸詰小僧に聞いてほしいと言いだした。

 同じ頃、西嶋は弟で警察官の敏哉から女絡みの相談を受け、一計を講じる。(表題作)

 一見、普通の人に見える悪人たちの計略を描く短編7編収録。それぞれの結末にぞっとすること間違いなし。

(光文社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  3. 3

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 4

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  5. 5

    そんなに女性天皇がいやなのか…最近の雅子皇后いじめの裏にあるもの

  1. 6

    佐々木朗希にメジャースカウト「合格点」も…“投げては休む”は米国で受け入れられるのか

  2. 7

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  3. 8

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  4. 9

    “異例の成績”報道の悠仁さまに東大の「共通テスト重視」が与える影響は?

  5. 10

    やす子に始まり、やす子に終わった…一体、誰のための「24時間テレビ」なのか