「潤みと翳り」ジェイン・ハーパー著 青木創訳
オーストラリア連邦警察の捜査官フォークに、早朝、相棒のクーパーからジララン山脈の森でアリスが遭難したと連絡が入る。
財務捜査課に所属するフォークらは、マネーロンダリングの容疑で会計事務所の会長ジルとその弟で最高経営責任者のダニエルを内偵中で、同社に勤務するアリスは大切な情報提供者だった。アリスが森に出掛けたのは、ダニエルが企画した合宿研修のためで、女性組はジルを含む5人で行動を共にしていた。
しかし、戻ってきたのは4人だけだった。フォークは、数時間前、アリスが携帯電話に残したボイスメッセージに気づく。一方、現地で捜索の指揮を執るキングは25年前に同じ森で起きた連続殺人事件のことを思い出していた。
英国推理作家協会賞受賞作「渇きと偽り」続編。
(早川書房 1220円+税)