「リベラリズムの終わり」萱野稔人著
近年、個人の自由を尊重する社会の傾向はより高まる一方で、リベラル(個人の自由を尊重する立場の人たち)への風当たりは強くなっている。本書は、現代社会が直面するリベラリズムの限界について考察した政治哲学入門書。
リベラリズムは、大きく2つに分けられる。2015年、米国で同性カップルの結婚する権利を認めた連邦最高裁の判決を見て、一夫多妻を認めるよう訴えた男性が現れた。同性カップル婚は認められ、なぜ一夫多妻婚は認められないかを論じながら古典的リベラリズムの限界を論じていく。
さらにリベラル派への批判の高まりと社会の右傾化の関係を論じながら現代版リベラリズムについても考察するなど、リベラリズムが適用できない現代社会の実情を論じていく。
(幻冬舎 840円+税)