「バブル」山口ミルコ著
男女雇用機会均等法が施行された少し後に、著者は損害保険会社に就職、自動車保険部に配属された。だが、「どうやらミルちゃんにこの仕事は向いていないらしい」と周囲が気づく。
その頃、知人に声をかけられた。すごい編集長が新しい編集部員を探している、というのだ。「飛ぶ鳥を落とす勢い」の編集長に気に入られ、平成元年に転職。生まれて初めて名刺を持って仕事をすることになる。最初の仕事はボスが毎朝飲む漢方薬を煎じることだった。仕事で外出しても必ず「帰社」しなくてはならず、帰社するとなかなか帰宅できない、という日々が続く。
バブルの時代、会社を愛してがんばったさまざまな業種の女性の日々を描く。
(光文社 1600円+税)