「恋々(れんれん)」東山彰良著
引きこもりだった高良は、父親の死で就職か進学かの決断を迫られ、K大に推薦入学。高校にわずか24日しか通学していない高良さえ受け入れてくれたK大には、本国で大学に行けない中国人留学生が大勢いた。
弁当工場でアルバイトをしながら講義に通う高良は、講義中に「中国人は馬鹿で卑怯だ」と言い放った女子学生の陸安娜に恋をしてしまう。彼女は日本育ちの中国人だった。
何とか彼女と2人で会うきっかけを掴んだ高良だが、引きこもりが長く、女性との付き合い方も分からない。おまけに彼女がバイト先の先輩・柳沢と関係を持ったことまで知ってしまう。高良は失恋の痛みを抱えたまま、中国に短期の語学留学に出かける。
直木賞作家による青春ロードノベル。
(徳間書店 710円+税)