「時代を撃つノンフィクション100」佐高信著
さまざまなタブーに挑み、社会や人間をローアングルの視点からとらえたノンフィクションを紹介するブックガイド。
拘置所で字を覚え、猛烈に勉強して、自らが同じ階級の人を4人も殺してしまったことに気づいて愕然となった連続殺人犯・永山則夫が獄中で記した「無知の涙」や、何も考えずに減反を強制した末にそれを解除する無責任な政府への憤りが凝縮した福島の農民詩人・草野比佐男の「村の女は眠れない」など、まずは格差社会をテーマにした作品を紹介。ほかにも、内橋克人の「共生の大地」や大下英治の「電通の深層」などの経済をテーマにした作品をはじめ、宗教やアウトロー、メディア、歴史などさまざまな分野の古典から2010年代の問題作まで網羅。
(岩波書店 902円)