「リスク心理学」中谷内一也著

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 人類は太古の昔から、さまざまな危機に対応しながら暮らしてきた。生きることは危機に対処することと同義と言っても過言ではない。人間の心には、進化の中で、生き残りに都合が良い適応的な特性が残ってきたという。リスク心理学とは、人間の心が遭遇するかもしれない望まざる事態をどのように受けとめ、どのように反応しようとするのか、その基盤となるデザインを探る学問だそうだ。本書は、その基礎を教えてくれるテキスト。

 私たちの判断や思考決定は、直感的、無意識的に判断を進める直情径行型のシステム1と、データや論理を重視して筋の通った判断を行おうとする慎重居士型のシステム2という2つの思考モードで支えられていることを紹介しながら、私たちの心に備わる危機対応の仕組みを解き明かす。

(筑摩書房 880円)

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