「うちのネコ、ボクの目玉を食べちゃうの?」ケイトリン・ドーティ著 十倉実佳子訳

公開日: 更新日:

「宇宙で宇宙飛行士が死んだらどうなる?」「死体が勝手に立ち上がったりしゃべったりすることはある?」など、子どもたちは死についてさまざまな疑問を持っている。こうした34の疑問に対し、葬儀屋である著者が専門知識を駆使してユーモアたっぷりに回答しているのがこの本だ。

 例えば「死ぬ直前にポップコーンのタネを1袋分のみ込んだら火葬したときにどうなる?」という質問に対して著者は、ポップコーンがポンポンとはじけて死体からあふれ出すだろうという質問者の期待は裏切られると回答。

 なぜなら①そもそも死の床にある人は内臓も弱っているから固形物であるポップコーンのタネ1袋分ものみ込めない②なんとかのみ込んでポップコーンがはじけても火葬炉は分厚い耐火れんがで覆われており外に音は聞こえない③そもそもポップコーンがはじけるのに最適な温度は180度だが、火葬時の平均温度は920度なので丸焦げになって跡形もなくなる――からだそう。ちなみにポップコーンではなくペースメーカー付きの死体は爆発を起こすので、火葬前には必ず確認するという豆知識も教えてくれる。

(化学同人 2200円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差