「落語魅捨理全集 坊主の愉しみ」山口雅也著

公開日: 更新日:

 お馴染みの古典落語を下敷きにした新趣向の時代ミステリー(魅捨理)短編集。

「飲む・打つ・買う」など男の悪癖にはいろいろあるが、一番タチの悪いのが「蒐集(しゅうしゅう)癖」だ。あるところに「打つ」と「蒐める」が高じて金欠になった骨董商がいた。男は僧侶に成りすまし、田舎の村々を巡り、舌先三寸で骨董の掘り出し物をタダ同然で仕入れることを思いつく。男は、とある田舎の茶屋で、猫のエサの器が、高価な絵高麗の梅鉢だと気づき、主人をだまして手に入れようとするが失敗。逆に主人は、偽坊主が持つ平賀源内ゆかりの刻みたばこ用点火器を使って賭けをしようと言い出す。(「坊主の愉しみ」)

「時そば」や「あたま山」などに材をとった7編を収録。

(講談社 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  3. 3

    大谷も仰天!佐々木朗希が電撃結婚!目撃されたモデル風美女に《マジか》《ビックリ》

  4. 4

    井上中日が「脱立浪」で目指す強打変貌大作戦…早くもチームに変化、選手もノビノビ

  5. 5

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  2. 7

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  3. 8

    “透け写真集”バカ売れ後藤真希のマイルドヤンキーぶり…娘・希空デビューの辻希美とともに強い地元愛

  4. 9

    爆笑問題・太田光のフジテレビ番組「休止の真相」判明 堀江貴文氏“フジ報復説”の読みハズれる

  5. 10

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ