「チェコに学ぶ『作る』の魔力」あまのさくや著
著者は大学時代にチェコの人形アニメを見て、その異様な世界観にクギ付けになった。その後、4度もチェコに行って、チェコの「作る力」に引かれる。マリオネット博物館では、たくさんの糸で吊られたプロが作った人形ではなく、1本の針金で頭を固定した「素人が制作したマリオネット」が気になった。シンプルな情熱があふれているように見える人形を前に、しばらく動けなかった。
南モラビアを訪れたとき、ワインショップの娘・シャールカに誘われて店の地下に下りると、そこには小さな神殿があった。深さ6メートル、全長300メートルの地下通路は、シャールカの父がツルハシで掘ったというのだ。
絵はんこ作家、エッセイストの著者が出会った、チェコの「作る力」を語る。
(かもがわ出版 1760円)