「男性中心企業の終焉」浜田敬子著
1986年の男女雇用機会均等法の施行以降、女性の地位向上や働きやすさへの支援などが議論、後押しされてきた。しかし、世界経済フォーラムによる日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位とジェンダー後進国から抜けだせない。
経済の低迷、経済成長の停滞状態を「失われた30年」と表現するが、著者は「失った」のは、ダイバーシティーやジェンダー平等を積極的に推進しなかったことによる経済成長の機会だと指摘する。その価値に気づかず自ら放棄したのだと。ほかの先進国は女性というこれまで眠っていた人材を生かすことで成長の原動力につなげてきたという。
本書はジェンダー後進国の日本の現状を俯瞰しつつ、多様性を実践している企業の地道な取り組みを紹介するリポート。 (文藝春秋 1078円)