「しょったれ半蔵」 谷津矢車著

公開日: 更新日:

 三河で育った正成の望みは武士として生きること。しかし、生家の服部家は伊賀の忍びで、正成も幼い頃より父・保長から忍びの鍛錬を受けてきた。

 7歳のとき、父から初めての任務を与えられるが、それはよりによって幼馴染みの渡辺守綱の暗殺だった。命に背いて、出奔した正成は、守綱に果たし合いを申し込む。切られて死のうと思ったのだ。事情を察した守綱に誘われ、以来、彼の家臣として生きてきた。

 しかし、21歳のとき、守綱とともに参じた上ノ郷城攻めで、正成の眼前で保長が殺される。後日、主君の元康に呼び出された正成は、服部家の嫡男に復帰して、服部半蔵として生きていくように命じられる。

 武士にも忍びにもなれない「しょったれ(半端者)」の半蔵を主人公に描く戦国エンタメ。

(小学館 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出