「小さいコトが気になります」 益田ミリ著
人気エッセイストが、気になっている身の回りの小さなコトをテーマにつづるエッセー集。
上京間もない頃、居酒屋でポテトサラダを作るときに「何を入れるか」が話題になった。皆の話を聞き、自分の平凡さに落胆。そして今、パンケーキ目当てで通っている帝国ホテルのベーカリーショップのショーケースに並ぶポテトサラダが気になって仕方ない。
値段も強気で、もしこれを食べたら、自分が調子に乗るのは間違いない。だから、行くたびにショーケースを眺め、ポテトサラダがあるのを確認するが、買うことはない。
卵焼きのたまごサンド、銀行の窓口の女性行員など、人から見たらどうでもいいことを確認せざるを得ない日常のひとこまをエッセーとイラスト、漫画で描く。
(筑摩書房 660円)