「ゲームが教える世界の論点」藤田直哉著
「ゲームが教える世界の論点」藤田直哉著
コロナ禍で、ゲーム産業は加速度的に成長。私たちの生活環境や対人コミュニケーションの領域も急速にゲーム化しつつある。
しかし、ゲームやSNSなどのメディアは、トランプ前大統領の支持者による議事堂襲撃事件のように、人々が論理や証拠を重視せず、深く考えず、情動や好悪で世論が動いていく「ポストトゥルース」と呼ばれる状況をつくり出す。
一方で、そうした影響力を自覚しながら、ゲームならではの方法で、差別や貧困、ジェンダー、フェイクニュース、AIとの共存など、シビアな主題と格闘するゲームも多数存在する。
「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」など人気ゲーム16作品を取り上げ、込められた「思想」を読み解き、理想的な社会のあり方のヒントを探るゲーム論。 (集英社 990円)