「警視庁アウトサイダー The second act 1」加藤実秋著
「警視庁アウトサイダー The second act 1」加藤実秋著
年初に、西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌の出演で放映された連続テレビドラマの原作。警視庁桜町中央署のエース刑事、蓮見光輔と元「マル暴」の刑事・架川英児とのコンビで繰り広げられる〈シーズン1〉に続く、新たに新人女性刑事が加わった〈新シーズン〉。
【あらすじ】東京・府中の警視庁警察学校の卒業式。警視総監が、成績優秀者から順番に卒業生一人一人の名前と卒業後の配属先を読み上げていく。
とはいえ、配属先はあらかじめ学生に伝えられている。のんびりと順番を待っていた水木直央の順番が来た。そこで読み上げられたのは「桜町中央署刑事課」。直央は「えっ?」と思わず声が漏れた。地域課のはずが何で刑事課なのか。そもそも卒業配置は所轄署の地域課か交通課が普通だ。何かの間違いだろうと思いつつ、直央は卒業式の礼服のまま桜町中央署へ。
そこで待ち受けていたのは黒地に白いストライプのダブルスーツに金色のネクタイにサングラスというヤクザのような中年男だ。怪訝に思っているところにもう1人やってくる。こちらは礼儀正しいイケメン。元マル暴のこわもて刑事、架川英児と同署のエース刑事蓮見光輔だ。いくつもの難事件を解決してきた名コンビで、2人が直央の指導役だという。そこへいきなりの殺人事件。とるものもとりあえず事件現場に連れて行かれる直央だが……。
【読みどころ】シーズン1で明かされているように、蓮見と架川はともにある秘密を抱えながらコンビを組んでいる。そんなことを知らない直央は2人の破天荒な行動に翻弄されるのだが、どうやら直央の刑事課への配属にも何か秘密があるらしい。秘密を抱えた3人が事件を解決していくなかで徐々に絆を深めていく。 〈石〉
(KADOKAWA 748円)