「ガラスの橋」ロバート・アーサー著 小林晋訳

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「ガラスの橋」ロバート・アーサー著 小林晋訳

 昼食のため勤務先の銀行を出た出納係の青年マニングは、尾行する2人の男に気づく。自分を捕まえにきた刑事に違いない。

 株投資に失敗して銀行の金2万ドルを着服したマニングに逃亡するつもりはない。甘んじて罰は受けるつもりだが、さらに今、昼食のサンドイッチとともに銀行から魔法瓶に入れて持ち出した1万ドルは刑期を終えるまでどこかに隠しておきたい。発車寸前のバスに飛び乗り、刑事をまいたマニングは、たどり着いた住宅地で木を植えるために掘られた穴に魔法瓶を埋める。

 3年半後、罪を償い出所したマニングは、スミス一家が暮らす金を隠したあの家の近くのガソリンスタンドで働きながら機会をうかがう。(「マニング氏の金の木」)

 アメリカの短編ミステリーの名手による傑作集。

(扶桑社 1320円)

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