「亀甲獣骨」山本一力著
「亀甲獣骨」山本一力著
1899年、古代の青銅器や石碑などに刻まれた銘文や絵を研究する金石学の学者、丁仁のもとに雑貨商人、元突聘(げんとつへい)が訪れた。
当時は地中から出土した脊椎動物の骨の化石を、「竜骨」と呼んでいた。その竜骨に神秘的な文字や図形が刻まれているのが発見されて話題になっていた。
丁仁は元突聘にこの噂を調べてほしいと頼んでいたのだが、その頃、義和団に不穏な動きがみられるとの情報があり、その現状を元突聘に聞かねばならない。元突聘が持ってきた竜骨に刻まれたものは判別できないが、明確な意図を持った者が何かを伝えようとしているのだ。
「竜骨」が伝えるものをめぐる冒険小説。
(潮出版社 2090円)