「鉄道と国家」小牟田哲彦著

公開日: 更新日:

「鉄道と国家」小牟田哲彦著

 鉄道の敷設事業はインフラ整備ゆえに、政治と密接に関連してきた。鉄道史をひもとき、そんな政治と鉄道の関係を解き明かす歴史テキスト。

 日本の鉄道は創業時から、線路の幅である「軌間」問題に直面し続けている。国際標準軌ではなく、それより狭い狭軌を選択したのは、大隈重信だが、彼は後に自身の判断が誤りだったと認めている。

 なぜ日本の鉄道は狭軌で建設されたのか、その背景を考察しながら、鉄道建設をその経済性や軍事的有用性よりも、明治政府が政権運営の円滑化や外交交渉の進展を図る手段として重視していたことを明らかにする。

 以降、原敬や佐藤栄作、田中角栄など大物政治家らの介入によって生まれた路線や赤字路線の存廃、新駅誕生の舞台裏など。多くのエピソードで鉄道の近現代史をたどる。 (交通新聞社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853