「御社のチャラ男」絲山秋子著
「御社のチャラ男」絲山秋子著
ある日、食品会社の営業マンの岡野(32歳)が外回りから戻ると、同僚の山田が逮捕されたと教えられる。昔の窃盗癖が出たらしい。社長が警察に行き、三芳部長は案の定、とっくに帰ったという。
そういえば、三芳をチャラ男と呼び始めたのは山田だった。4、5年前、当時40代になったばかりの三芳は、ヘッドハンティングされ入社。軽いし、ちょっと変わっているが、岡野から見た三芳部長はそれほど悪い人には見えない。しかし、転職を繰り返してきた山田によると三芳はどの職場にも必ず1人はいる典型的なチャラ男だという。
ほかにも、社長秘書のかな子(24歳)や、元社内不倫相手の素子(33歳)ら、チャラ男について語る社員たちの話から会社という組織の実態が浮かび上がる会社員小説。
(講談社 869円)