「詭弁社会」山崎雅弘著
「詭弁社会」山崎雅弘著
国会で、議員たちが毎日口にする「お答え/説明を控えさせていただく」「丁寧に説明する」「誤解を与えたのならおわびする」などの聞き飽きた言葉の数々。これらはすべて、相手を欺くために使われる論理の詐術「詭弁」だと著者は指摘する。
人間の論理的思考に入り込み、判断を狂わせる詭弁は、目に見えず、その存在に気づかれにくいウイルスにも似ている。政治家や社会的影響力を持つ人物が意識的に、あるいは無自覚に詭弁を吐いて社会に広めているとき、それに気づいて対処しなければ社会全体が「詭弁に乗っ取られた状態」になってしまうという。
安倍政権以降、代々の政府が繰り広げてきたひとつひとつの詭弁を分析、検証。国家の行方や国民の安全さえ脅かすそのおかしさの正体と構造を解説した警世の書。 (祥伝社 1023円)