「粕汁の本はじめました」松鳥むう著
「粕汁の本はじめました」松鳥むう著
近畿圏では11月中旬ごろになると、飲み屋や食堂に「粕汁はじめました」という張り紙が現れる。「冬が来たなぁ」と感じさせる冬季限定メニューであり、郷土料理でもある。
酒粕はスーパーでも買えるが、酒どころでは酒蔵で不要になった酒粕が手に入るので、早春の蔵開きのときに「蔵開きの粕汁」を作って客に出す。
粕汁の具は土地によって異なり、姫路の「皮鯨の粕汁」、気仙沼のメヌケと白菜を具にした「あざら」、「カジメ」という海藻を使った石川県珠洲市の「カジメの粕汁」などがある。ほかに、ホテル日航奈良の朝食バイキングで食べられる「興福寺の粕汁」など。
それぞれの粕汁の図解と、粕汁が食べられる全国71軒のリスト付き。
(西日本出版社 1650円)