「あなたの代わりに読みました」斎藤美奈子著

公開日: 更新日:

「あなたの代わりに読みました」斎藤美奈子著

 菅直人の「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」(幻冬舎新書)は、原発事故が起きた3月11日から18日までの動きを記録した手記である。当時、「官邸の過剰な介入」と批判されたが、その介入がなかったら原発全基が制御不能となり、5000万人が避難を迫られるという最悪のシナリオになったかもしれない。

 松田青子の「持続可能な魂の利用」(中公文庫)は男性社会を断罪した長編小説だ。カナダから帰国した女性が、空港で「うつむき加減」の女の子の一団に出会い、日本の社会は「おじさん」が決めた世界であると感じる。

 文芸評論家が「いま起きていること」を知るための同時代の本を紹介する。

(朝日新聞出版 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都心のマンションで急増する“性感メンズエステ”驚愕の実態「まったく気付かず…」と住民唖然

  2. 2

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  3. 3

    桜井ユキが6年前、松坂桃李と演じた激しい濡れ場…朝ドラ「虎に翼」“涼子様”で人気全国区に

  4. 4

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  5. 5

    中日「ポスト立浪」に浮上する“第3の男” 侍J井端弘和監督、井上一樹二軍監督の名前が挙がるが…

  1. 6

    悠仁さま“親がかり”の「東大推薦」に1万2500人超の反対署名…志望校変更に現実味も

  2. 7

    阪神「常勝軍団」構築は“オカダの考え”がカギ…試合前に捕手に“講義”、名指し公開説教は日常茶飯事

  3. 8

    夏ドラマ唯一の“ロス”は読売テレビ深夜ドラマのみ?「ブラックペアン2」ですら話題にならない深刻

  4. 9

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  5. 10

    桂菊丸&泉アキ夫妻 熱海で「自給自足」スローライフ満喫