玉袋筋太郎さんが語る 令和の繁華街「スナック」のススメ
どんなスナックがいいか。入ってみたらノリが悪いし、散々な店だなということがあるかもしれない。でも、オレはハズレも当たりということにしている。いろんな経験をするのが楽しいわけで、それも勉強だし、嗅覚、感覚が研ぎ澄まされ、危機を察知するセンサーが働くようになる。それが大事なんだ。
ところが、今はスマホとかに頼り切ってるから嗅覚が鈍っちゃってるんだよ。みんな、当たりしか求めていない。必ず最短距離でいいものを求めようとする。ラーメンを食うのに、ぐるなびで星5つの店に行く。近道の仕方を間違えている。地方に行ってうまいものを食べて観光もして、「私はどこそこを旅してきました」。本当に上っ面、笑っちゃうよね。旅なんて夜の街のスナックにでも繰り出して、土地の人と触れ合わないと完成しないんだよ。
スナックが増えたのは昭和39年の東京五輪が行われた時くらいから。高度経済成長の日本を支えた人たちの安らぐ場所がスナックだったわけ。ママやマスターがそういう人たちをいたわってくれたから、今日の日本があるんだと思う。ソファに座るとおしぼりが出てくるスナックは日本発祥の文化。大切にしたいし、くしくも来年は東京五輪があるから、スナックで日本を明るくし、もっと再生させたいね。