コロナ一色で煽るワイドショー 死者数いわないご都合主義
10代まで0人、20代1人、30代6人、40代12人、50代55人、60代167人、70代451人、80代640人、90代以上310人。男女比は男が女の1・75倍。ざっくりいえば2対1くらいの割合で男が多い。50代までの死者数は全体の5%以下、95%超が60代以上である。
高齢者、とくに基礎疾患がある人がコロナをうつされて重症化すると危ないが、50代までは死亡リスクは高くない。これまで言われていることではあるが、ここまではっきりしていると認識が変わる。若者はこの数字を見たら「な~んだ」と思うはずだし、かかっても軽症か無症状だから「出歩くな」といっても言うことをきかない。
一緒くたにして重症化リスク、医療の逼迫を訴えるより高齢者の死亡リスクがこれほど高いことを、数字を示して見せた方がコロナ対策には説得力がある。できれば重症者の年代別もはっきり示した方がいい。要するに、テレビがコロナを煽るのに不都合なデータを見せたくないことが余計に事態を悪くし、国の対応を追及できない原因にもなっている。
感染者数と重症者数は放送しても、死者数を放送しないのはテレビのご都合主義と勘繰りたくなる。「Go To」騒ぎ、小池都知事はフリップをかざして飲食店への時短要請……。政治家もその前にきちんとしたデータを示すべきでは。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)