松坂桃李「御上先生」は意外な結果に…! 2025冬ドラマ「ネットバズり」“お宝”作品TOP3を考察
視聴率では測れない“ネットでバズっている”お宝ドラマは?
1月からそれぞれスタートした2025年冬期ドラマ。今回はシリーズものを除く民放ゴールデン・プライム帯(19時~23時)の中で、視聴率では測れない、“ネットでバズっているお宝ドラマTOP3”を紹介したい。TVer見逃し配信では、多くのドラマが1~3話と最新話を視聴できるので、今からでもまだ間に合う!
まず初回の世帯視聴率だけで見ると、松坂桃李(36)主演「御上先生」(TBS系)のみ2桁を超え12%台、唐沢寿明(61)主演「プライベートバンカー」(テレビ朝日系)が9%台、赤楚衛二(30)主演「相続探偵」(日本テレビ系)が8%台、清野菜名(30)主演「119エマージェンシーコール」(フジ系)と広瀬すず(26)主演「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)がそれぞれ7%台後半で続き、ここまでが視聴率TOP5となっている(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下、同)。
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TVerのお気に入り数TOP5は?
一方、若者世代に広く普及している見逃し配信・TVerのお気に入り数をチェックすると、視聴率に関係なくファンを捕まえている作品が見えてくる。2月6日時点のお気に入り数は、「御上先生」が105.7万台、市川実日子(46)主演「ホットスポット」(日テレ系)と「119」がそれぞれ89万台、川口春奈(29)主演「アンサンブル」(日テレ系)が82万台、「クジャクのダンスーー」が81万台でTOP5となった。
次に、そのTVerお気に入り数TOP5作品が、Googleトレンド上で、過去30日の間にどれだけウェブ検索されたか比較したい。どの作品も初回が最高値を記録しており、その中で最も多く検索されたのが「御上先生」だ。「御上先生」初回を100とすると、「アンサンブル」が68、「クジャクのダンスーー」が65、「ホットスポット」が45、「119」が29となっている。
「御上先生」は視聴率も3話連続10%以上を記録しているが、これまでの日曜劇場は中高年層が多く視聴しており、“視聴率は高いがネットの指標には弱い”といった作品もあった。その中で、「御上先生」はTVerお気に入り数、ウェブ検索でも圧倒的トップだ(以下、ネタバレを含む)。
お宝ドラマTOP3の見どころ&楽しみ方
同作は、松坂演じる文科省官僚が、官僚派遣制度により出向した私立高校で高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく“大逆転教育再生ストーリー”だ。未来が嘱望される若手俳優も多数出演し、現代に蔓延(はびこ)る身近な問題も提起されており、若年層にもその人気が波及していると考えられる。
「ホットスポット」は視聴率5%台ながら、バカリズム(49)の脚本が冴えわたり、民放連続ドラマ初主演の市川、鈴木杏(37)、平岩紙(45)演じる幼馴染3人の自然なかけ合いが小気味良い。東京03・角田晃広(51)の“おじさん宇宙人”が、普通に3人に溶け込んでいるところも、意外に高い能力を発揮し問題解決してしまうところも、全てが笑いに変わる。
「アンサンブル」は、“リーガルラブストーリー”を謳うわりには、川口とSixTONES・松村北斗(29)演じる弁護士2人が関わる“リーガル”面がやや控えめだ。それよりも、純粋な川口と松村による“ラブストーリー”だと思って見ると、非常に繊細に描かれている。
松村が相変わらず女性を射抜く方法を心得ているかのようで、ナチュラルピュア紳士・松村に今後も沼落ちする視聴者が続出しそうだ。
ここまでの「御上先生」、「ホットスポット」、「アンサンブル」を、今期の“ネットでバズっているお宝ドラマTOP3”とする。特に、日曜日のシリアスな「御上先生」からのコメディー「ホットスポット」という流れは、“緊張”からの“緩和”で笑いが増幅するため、他局同士とはいえ、ぜひ2作セットで見て欲しい。
次点の「クジャクのダンスーー」と「119」、見どころは…
また、次点には「クジャクのダンスーー」と「119」を挙げたい。
「クジャクのダンスーー」は、初回から広瀬演じる主人公の最愛の父が殺される。この事件で逮捕された容疑者は、かつて父が逮捕し死刑囚となった男の一人息子で、父が遺した手紙には、その容疑者は「冤罪」だと記されていた。
過去と現在の2つの事件が複雑に絡み合い、早くも考察合戦が繰り広げられている。人気若手俳優のサスペンスで久々に“ちゃんとしているな”と思ったら、やっぱりTBS系だった。
「119」は、不調な時期があった月9とは思えない、手堅いお仕事ドラマだ。ゴールデン帯ドラマ初主演の清野が、消防局の通信指令センターで新人指令管制員として奮闘する。現場で消火や人命救助に直接あたる消防士に対し、ともすれば電話を受けているだけに見えてしまう通信指令センター。だが、緊迫感のある演出で、指令管制員が一本の電話で命をつなぐ“最前線”にいることが痛感できる。
1月27日に放送予定だった3話は、フジテレビ記者会見による延期に見舞われたが、演者と現場の作り手の真剣さが伝わってくるだけに、最後まで見届けたい作品だ。
(こじらぶ/ライター)