よく効いて副作用も軽い…C型肝炎治療の“最強兵器”とは?
新薬シメプレビルは耐性ができやすい。そのためシメプレビルを用いた3剤併用で効果が見られなかった場合、ウイルスが耐性を獲得して、打つ手がなくなってしまう。
「初回や再燃の患者さんは90%近い著効率なのでまだいいですが、2剤併用で無効だった患者さんが3剤併用療法を行っても、著効率は50%という結果が出ています。2人に1人は効果がないばかりか、耐性の問題もあります。だから、発がんのリスク判定をして、治療が待てるのか否か判断すること。さらに3剤併用療法を行うとした場合、勝算がどれほどかを判断することが重要です」
発がんのリスク判定は、肝炎の進行度で見る。肝炎の進行度は、肝臓の硬さからF1~F4の4段階に分けられ、数字が大きくなるほど肝炎が進行しているということで、F4は肝硬変だ。主治医とよく相談してリスク判定を行い、ベストの治療を受けるべきだ。
小尾部長は、「臨床試験中のソフォスブビルとレディパスビルは、今後C型肝炎ウイルスを絶滅させられるほどの力を持ったスーパー最強兵器」だと言う。ただし、値段も“最強”。現時点で薬1錠1000ドル、約10万円。C型肝炎治療が進歩していることは絶対に間違いないが――。