隠れ重大病も…4500万人が悩む「夜間頻尿」の症状と対策
昼に利尿剤を服用して尿をたくさん出すようにし、腎機能低下、心不全の治療を行う。
夜間多尿で高橋教授の外来を受診したAさんは夜6~8回の頻尿で、昼は500ミリリットルの尿量しかなかったが、夜は1000ミリリットルもあったという。
「心房細動による不整脈で心不全を起こしていたので、昼の利尿薬と不整脈の治療薬を処方すると、夜間多尿は治りました。適度な運動で昼の尿量を増やすことでよくなった人もいます」
★睡眠障害
「抑うつ状態や不眠症で眠りの質が悪いため、軽い尿意でも目が覚めてトイレに行きたくなるケースがあります。睡眠を専門に診る心療内科や精神科で、睡眠の質を上げる治療が必要になります。また、最近増えているのは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)による夜間頻尿です」
SASになると夜間の利尿ホルモンの分泌が高まる。呼吸が何度も止まるので右心房が必要以上に膨らみ、心臓が循環血液量が多いと判断して、水分を体外に排出しようと働くからだ。しかも、低酸素状態で腎臓が尿の再吸収をうまく行えない。結果的に、夜間頻尿になる。就寝中に気道に空気を送る機器・シーパップの利用などでSASが改善する。