“新基準値”で大混乱…人間ドック、健康診断の賢い使い方

公開日: 更新日:

■総合リスクに考慮するべし

「高齢者の場合、日本では75歳以上の後期高齢者が『150/90』に緩和され、欧州や米国では60歳前後で同じ基準値が該当します。ただ、欧州では血圧以外のリスク因子が詳細に評価されます。悪玉のLDLコレステロール値や空腹時血糖値など、かつてのメタボ健診の厳しい基準を超えた項目がすべてリスク因子として換算され、高リスクの患者には早い段階で生活習慣改善による血圧、血糖、脂質のコントロールを促します。日本の人間ドック学会が発表した新基準のようにすべての数値を緩めてしまうと、高リスク患者が見逃されてしまう危険があるのです」(東丸氏)

 ひとつの検査項目の数値だけでアウトだセーフだと判断するのではなく、総合リスクを考慮する必要があるのだ。
「その時の数値が基準範囲に収まっていたとしても、年々、数値が上限に向かって右肩上がりに推移していたら、食生活を改めたり、日常的に運動をしたり、生活習慣を改善すべきです。人間ドックや健康診断で計測した数値は〈点〉ではなく〈線〉で判断するべきものなのです」(江田クリニック院長の江田証氏)

 せっかく検査を受けているのだから、有効活用したいものだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭