脳梗塞治療は年々進化も 「FAST」だけは忘れてはいけない

公開日: 更新日:

 脳梗塞で死に至る人の多くは、発見・治療が遅れた人だ。いまや、早期に治療が開始されれば、脳梗塞は治る時代。脳梗塞治療の最前線をお伝えしよう。

 米国に遅れること9年、2005年に脳梗塞の画期的な治療「血栓溶解療法」が承認された。血栓を溶かす薬剤「tPA」を静脈注射して、脳の血管を再開通させる。患者への負担も少ないが、大きな課題があった。

「発症後4時間半以内に治療を開始しないと、効果がないのです。診断システムが整った脳卒中センターでも、診断には1時間かかります。そのため、発症後3時間半以内に病院に搬送された患者さんしか血栓溶解療法が適応にならないのです」(兵庫医科大学脳神経外科・吉村紳一主任教授)

 しかも、重症例や主幹動脈の脳梗塞に対しては血栓溶解療法は効きにくい。そのため、tPAの恩恵を受けられるのは脳梗塞全体の5%未満だった。

 tPAの血栓溶解療法が適応できない、あるいは無効の患者に対しては、カテーテル(細い管)を血管に導入して血栓溶解剤を投与する治療法と、バルーン(風船)を閉塞した血管に置く治療法が行われる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動